高校1年生にとって1月のベネッセ総合学力テストは、高1内容の総まとめであり、高2以降の学習へスムーズに移行するための重要な通過点です。6月模試では基礎定着、10月模試では高校内容への適応度を確認しましたが、1月模試では**「狙った点数を確実に取る力」**を養うことが最大の目標となります。単に学習内容を理解しているかではなく、模試の形式・時間配分・問題難易度を踏まえて確実に得点する練習が不可欠です。
1月模試の出題傾向
数学I
- 展開・因数分解(高精度の処理力が問われる)
- 二次関数(最大・最小、グラフ、変域設定)
- 二次不等式(文章題も含む)
- 三角比(基礎+応用)
数学A
- 確率(順列・組み合わせを含む複合問題)
- 図形の性質(円の性質、作図を伴う論証)
- 場合分けを伴う論理的思考問題
年間学習の総仕上げとしてのポイント
基礎計算の完成度を100%に
展開・因数分解は「スピード × 正確性」の両立が必須です。10月模試後にミスのあった分野は、短時間演習を毎授業の冒頭で取り入れます。特に平方完成や因数分解の特殊パターンを瞬時に処理できる状態にしておくことが重要です。
二次関数・二次不等式の融合問題
「グラフで考える ⇔ 式変形で解く」を自由に行き来できる練習が必要です。パラメータ付き二次不等式や、文章題の翻訳練習を重点的に行います。
三角比の応用
公式の暗記だけでなく、図形への当てはめ・座標との融合を経験させます。入試では基礎的な公式の暗記不足よりも、「公式を使う発想の欠如」が失点要因となることが多いため、この点を意識した指導が重要です。
確率・図形の性質の横断的活用
確率分野では「場合分け」「数え上げ」の抜け漏れを防ぐ練習を行います。図形の性質は証明問題を演習し、「根拠を明示して記述する」習慣を徹底します。
模試対策の具体的な指導法
過去問演習による形式慣れ
12月初旬から過去3年分程度の1月模試(ベネッセ総合)を演習します。50分の時間設定を厳守し、解き直し時も同じ制限時間で行います。問題の解答順序戦略(得点源の優先度)を明確にさせることが重要です。
解答の質を高めるための復習サイクル
問題用紙に必ず自分の解答を記入させます。模試返却は約1か月後になるため、試験後すぐに自己採点できるようにします。
Googleフォームで以下を提出させます:
- 自己採点結果
- 失点理由(計算ミス・知識不足・解法不明など)
- 反省点と次回の改善策
※フォームのデータはクラス単位で集計し、指導の重点分野を把握します。
教員側の分析と授業反映
フォーム結果から、「全体的に弱い分野」と「個人の弱点」を分類します。全体の弱点は授業で扱い、個別の弱点は課題や放課後補習で対応します。授業進行はカリキュラムを維持し、弱点分野は小テストや板書例題でフォローします。
時期別の学習計画(1月模試に向けて)
時期 | 内容 | 指導の重点 |
---|---|---|
11月下旬〜12月中旬 | 二次不等式完成、三角比応用 | 難問に挑戦するよりも基礎完成度を高める |
12月中旬〜冬休み | 図形の性質、確率総復習 | 演習量よりも理解の深さと記述力 |
冬休み明け〜模試直前 | 過去問演習、時間配分練習 | 本番同様の時間制限で得点戦略を磨く |
指導の心構え
「模試は予行演習」から「模試は得点勝負の場」へ意識を変えることが重要です。点数向上のための最後の工夫(時間配分、解答の見直し、捨て問判断)を徹底させます。1月模試後は必ず反省・分析を行い、高2内容への準備に直結させることを心がけます。
コメント