2022年度は何百時間とオンライン授業を行いました。授業を繰り返す中で、たどり着いたオンライン授業の私の形を紹介したいと思います。
Teamsを用いた授業
勤務校は、Microsoft Education、Ding Talk、ロイロノート・スクールを導入しています。それぞれ、生徒も教員もアカウントを作成(ロイロノート・スクールはMicrosoftのアカウントを紐ずいて作成)しており、そのアカウントを用いました。
同僚には、Ding Talkを用いて授業をする方もいましたが、私の授業は主にMicrosoft Teams(以下Teams)で行いました。(中国国内での授業のため、ZoomやGoogle MeetなどはVPNなしで主催できません。)
Teamsの利点
Teamsの利点は主に3点あります。それらの利点を1つずつ踏まえて、どのように授業が行なったのか紹介していきます。
- 同期型でリアルタイムで生徒とやりとりをしながら授業を展開できる。
- 生徒の授業への参加の様子を把握・記録できる。
- 複数の端末で参加できるので、顔だししながら書き込みができる。
日本マイクロソフトが、『できるICT授業 Teams for Education とMicrosoft 365 で実現する対話的な学び』(特別番)を発行していて、無償でダウンロードできますので、ぜひダウンロードしてみてください。
リアルタイムでのやりとり
Teamsは、ビデオ会議を設定でき、同期型(リアルタイム)でのオンライン授業を行うことができます。この会議は、定期的に設定することができるので、週で時間割に決まっている授業で大変助かりました。
数学のオンライン授業は、意欲的に授業に取り組める生徒となかなか授業に取り組めない生徒に分かれます。そのため、通常の対面授業のように生徒がある一定の緊張を持って授業を聞けるように、生徒が発言できるような問いや挙手・反応できる指示などができる機会を与えることが重要です。
Teamsのビデオ会議は、教員が説明しているときは参加者全員をミュートにすることができる一方で、生徒が自らミュートは外して発言することができます。
私は、授業の中で確認したことや問題の答えなどを生徒に発表してもらいながら授業を展開しています。一人の生徒が正解を言えば、概ね授業の内容を理解していると捉えて、安心して授業を次へ進めることができます。逆に、考え方が違っていれば、修正したり、もう一度説明を行うことで理解を深めることができます。間違えた生徒は少々恥ずかしい思いをするかもしれないので、間違えを許容する場にするように気を使いました。間違えを共有することで間違えやすいポイントをできる生徒も認識してもらえたと思います。
Teamsには、ライブリアクション機能があります。この機能を使って、多くの生徒を授業に主体的に参加させることができます。ミュートを外して発言する生徒は限れます。どうしても、オンラインのシステムの都合で、複数人が同時に発言することが難しいからです。私は、授業の最初の始まりや問題を解き終わったときに挙手ボタンを生徒にしてもらっています。このように授業の中で生徒が反応することで、生徒がオンライン授業に主体的に参加できました。
生徒の授業への参加を把握・記録する
同期型のオンライン授業は、生徒が授業へ参加しているか把握することが重要です。Microsoftのアカウントを生徒は本名で登録されているので、本当に生徒が授業に参加しているか把握することができます。偽名やニックネームなどでの参加はできません。(4月当初は、アカウントのパスワードを忘れた生徒がいて、ゲストとして参加してもらい、その生徒だけ個別に確認しました。)また、主催した会議は出席者レポートで出席した生徒と入退室時間を確認することができます。ただ、毎回の授業で出席レポートで確認は大変なので、途中で参加した生徒がいる場合や授業の途中から参加できなくなった生徒がいる場合のみ確認していました。
授業の最初に生徒が入室できているか把握するために、ライブリアクション機能の挙手ボタンを活用しました。これは、生徒がただ入室するだけで全く授業にことを避けるためです。また、挙手ボタンもできない生徒は個別にDing Talkで連絡したり、フォローをしています。このような生徒は指名してもなかなか発言することが難しいので、指名を避けて授業時間を確保する狙いもあります。
私の授業は、生徒とのやりとりを大事にしているので、数学の授業を録画することはありません。これは、録画だと生徒は萎縮しますし、録画された動画をまず生徒は見ないからです。授業動画ならYouTubeの方が見やすいと思います。しかし、学年集会や学校行事などでどうしても生徒に見てほしい場面はあります。そのような時には、会議の録画の機能があるので、活用しました。録画の選択肢があるのも、重要です。
リアルタイムでの書き込み
数学の授業は生徒に考えさせる間を与えることも大切です。プレザンテーションアプリを用いて、授業をされる先生もいらしゃいますが、数学の授業は基本はチョークアンドトーク型が良いです。教師が手を動かすから、生徒も手を動かすようになると思っています。
私は、TeamsをパソコンとiPadの同時に開き、iPadで共有しながらパソコンの方で顔出しをしながら必要に応じて、生徒に身振り手振りで教えていました。これができたのは、Teamsの複数台で会議に参加の機能があるからです。iPad上には、GoodNoteを2画面表示(Split View)しながら共有しており、教科書と板書ノートを見せながら授業をしました。
左側は教科書の該当ページを見せ、右側に板書ノートです。黒板で授業をするように、板書できるのが、私も授業しやすかったし、生徒からは授業を受けながらノートを取りやすかったと言ってもらえました。また、様々な理由で出席できなかった生徒に向けて、板書ノートを書き出して共有もしました。これは、ほとんど手間がないので、私も助かりました。リアルタイムでのやりとりを大事にして板書を心がけたので、生徒もよく頑張ってくれたと思っています。
2022年度は、本当にたくさんのオンライン授業をしていきました。その中で試行錯誤した私なりのオンライン授業の形を紹介させてもらいましたが、これから自分自身の授業の改善もしていきたいですし、Teamsなどのツールもよりたくさんの機能が追加されていきますので、これはあくまで2022年度版です。また来年も改善したいと思います。
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